天井にスピーカー

 

前述の通り、パイオニアの視聴室には、天井に6つのスピーカーが設けられています。これらはレールやジョイントによって移動できるようになっています。天井にスピーカーを設置するということが何より最大のポイントなのです。

 

パイオニア担当者による話ですが、劇場用とホームシアター用の相違点は「最大のスピーカー数の違い」だけとのことです。劇場で最大64個のスピーカーの駆動ができますが、民生用は最大34個で、従来と同じ9.1ch、7.1chにグループ分けして利用します。ドルビー側が推奨している家庭用のスピーカー配置とは、「7.1.4」「7.1.2」「5.1.4」「5.1.2」の4パターンです。3つ目の数字は天井スピーカーの数です。つまり4個か2個を天井に設置するわけです。

 

天井スピーカーの位置は6通りで、いずれの場合も左右天井スピーカーはフロントL/Rの軸上に設置します。視聴者の大体真上の左右は「ミドル」で、やや前方の左右を「フォワード」、後方左右は「バックワード」と表示しています。

 

「7.1.2」天井スピーカー2本のパターンはミドルに配置し、「7.1.4」4本のパターンはフォワードとバックワードに設置するのが基本となります。天井スピーカーについては、「ドルビー・イネーブルスピーカー」が代替としてドルビー社から提案されています。これは、フロントスピーカーを斜め上向きのスピーカーにして、天井に音を反射させることで天井スピーカーと同様の効果を得る仕組みです。

 

パイオニアも海外のELITEブランドで同様の製品を出す予定です。ただこの場合、イネーブルスピーカーだと天井に反射面を設置する必要があるともいわれています。